GOP Grand Old Party 共和党 2018 10 14
書名 日本人の知らないトランプ再選のシナリオ
著者 渡瀬 裕哉 産学社
著者によると、2017年は、
二重の政権交代があったという。
つまり、オバマ政権からトランプ政権へ、
そして、「共和党主流派」から「共和党保守派」へ
政権交代があったという。
日本人が知る「共和党」とは、
「共和党主流派」のことでしょう。
こうした「共和党主流派」に属する人たちは、
テレビや新聞によく登場して、知名度も高く、
たいていの日本人が「どこかで聞いたことがある」と思うでしょう。
ただし、「共和党主流派」の人たちは、
なんとなくリベラルな「におい」がすると思ったことがあるでしょう。
そのように思う人は、勘がよいのです。
実は、アメリカでは、「共和党主流派」の人たちは、
「Republican in Name Only」と呼ばれることがあるのです。
つまり、「名ばかりの共和党員」ということです。
著者によると、「共和党主流派」は、
議会における投票行動が民主党に対して妥協的であることから、
「Republican in Name Only」として保守派から糾弾されているという。
さて、日本人にとって、「共和党保守派」は、
あまりメディアに登場しないので、
「見えない存在」、つまり「ステルス派」のようにも思えますが、
最近は、日本のメディアでも登場するようになったでしょう。
「共和党保守派」の代表格と言えば、ペンス副大統領でしょう。
だからこそ、ペンス氏の発言は重みがあると言えるでしょう。
ところで、そういう権力構造ならば、
トランプ大統領の立場は、どうなっているのかと思うでしょう。
どう見ても、トランプ氏は、
「共和党主流派」でもなく「共和党保守派」でもないからです。
共和党では、「一匹狼」か「アウトサイダー」かもしれません。
にもかかわらず、トランプ氏は、
巧みに共和党を掌握しつつあります。
トランプ氏については、なんと表現してよいのかわかりませんが、
あえて言ってみれば、権力基盤の「魔術師」というところでしょうか。
トランプ政権の人事は、主流派、保守派、軍人と、実に絶妙な差配です。
日本人は、外見で人物を評価してしまいがちです。
確かに、トランプ氏は、体格が大柄で、言動は粗野です。
しかし、巧みな計算と人心掌握術に長けています。
現代版の「マキャベリ」と言うと、本人が怒るでしょうから、
「政治的には、こういうことをやりたい」という理想があるが、
そういう理想を隠して、政治的な敵を油断させるために、
あえて粗野な言動をしているといったところでしょうか。
ケネディ政権 2018 9 22
今日は、アメリカだけでなく、
日本でも人気が高いケネディ大統領について書きましょう。
今となっては、ケネディ氏を美化した報道しか見かけませんが、
今日は、「負」の側面から書きましょう。
「ケネディ大統領は、現在に至るまで、
アメリカ人の好きな大統領ランキングの上位にいるが、
大統領選挙における不正やマフィアとの関係、
マリリン・モンローをはじめとする複数の相手との不倫などに対する批判が多い」
(ウィキペディアから引用)
日本では、有名な大統領演説とともに、
マリリン・モンローとの不倫が知られていますが、
私は、このような情事は、政敵や反対勢力を
「かく乱」させる意図があったのだと推定しています。
つまり、敵を油断させ、「何か」をやり遂げたかったのだと思います。
ケネディ大統領は、司法長官に、自らの弟を任命しました。
このような任命は、当時としても「異例」のことだったでしょう。
43歳で大統領に就任したケネディ氏が、
本当は、何をやりたかったのかについては、
その後の歴史研究では、公式には、明らかになっていません。
非公式には、いろいろな話があります。
さて、現代に戻りましょう。
報道では、「私には、司法長官がいない」と嘆いたという。
トランプ大統領が、そのように嘆くのは、よく理解できます。
日本の政治でも、法務大臣には、
首相の盟友を任命した事例が多々あります。
トランプ大統領が何をやりたいのか。
派手な選挙公約という公式なものだけでなく、
何かをやり遂げたいのでしょう。